開発コラム
世界トップレベル!?
トイレに流せるおしりふきの開発
記念すべき第1回目の開発コラムは、
2024年4月に上市した「Kireineトイレに流せる超厚手おしりふき」についてご紹介します。
開発背景
紙おむつに使用される素材を製造しているハビックス。少子高齢化に伴う老老介護の増加や介護士不足の問題…。紙おむつ以外にも介護現場の負担を少しでも減らしたいと思い、介護に関わる製品開発をスタートしました。
そんな矢先、とある介護施設で「トイレにおしりふきを流したら、トイレが詰まってしまった」という問題を聞きました。
トイレを直すための費用や時間がかかってしまい、余分な仕事になってしまったことが事実…。
介護者の負担を減らして明日の介護を明るく照らす、そんな介護現場に貢献したく、この「トイレに流せる超厚手おしりふき」の開発に取り組みました。
製品への思い
従来のおしりふきは、何枚も重ねて使用しないと汚れが手に付着したり、拭き取り1回では汚れが落ちず、何回も拭き取る必要があり、労力がかかっていることも聞きました。
そこで、私たちは、
- ①介護者が安心して使用できるように、拭き取り時に汚れが裏抜けしないような衛生的な製品であること。
- ②介護者の負担を減らすために、水に流せるのはもちろん、たった1枚で十分に汚れを拭き取れること。
- ③被介護者の肌に優しい使い心地であること。
この3つを大切にしておしりふきの設計に取り掛かりました。
技術の集結
パルプ不織布の独自製法により、シート中に空気の層を多くもつことが特長です。クッション性のある触り心地に加えて超厚手とすることで、水分を多く含み汚れを拭き取りやすく、裏抜けしにくい製品を実現しました。
また、市販されているおしりふきとは違い、当社のおしりふきはトイレットペーパーと同じパルプが原料です。そのため、繊維の長さが従来のおしりふきより短いことが特徴です。この繊維の違いによって、水に入れればパッとすぐにほぐれる機能を実現しました。
当社のおしりふきを使うことで、使用枚数削減によるコストの削減や、汚物と一緒に水に流せるため焼却ゴミの削減に繋がります。
パルプ不織布の製造技術や水解紙の水解技術、紙おむつ用素材で培った肌ケアの技術、当社の技術を大集結させ、おしりふきとしてバツグンの汚れの取りやすさと、おしりふきなのにトイレットペーパーのように水に入れると瞬時にほぐれるという画期的な「Kireineトイレに流せる超厚手おしりふき」が完成しました。
開発したおしりふきを実際に介護士さんに使用していただいたところ、好評をいただくことができ、私たちの考え方は間違っていなかった!と強く確信しました。
展示会で大好評
開発後すぐのタイミングで、メッセナゴヤ2023にてお披露目することになり、ほぐれやすさを実感していただこうと考えました。
実際のトイレ配管の勾配や長さ、水量など、配管設備メーカーさんに相談し、家庭トイレの5~10分の1のスケールの簡易装置を作成しました。
実際に流してみると配管内でおしりふきがしっかりほぐれました!水2Lという節水トイレよりも少ない水量ですが、5枚入れてもパッとほぐれていることも確認できました。※トイレに流す時は、「大」の水量で必ず1枚ずつ流しましょう。
同じ装置で市販されているおしりふきは、ほぐれずに詰まってしまうため、「ハビックスのおしりふきは世界トップレベルの水解性だ!」ということで、ブースが混雑するほど、大好評でした。
環境にもやさしい
世界的に「流せるウェットワイプス」が環境に与える負荷に対しての見解が厳しくなっている一方で、日本では大きく注目されていないのが現状です。当社の「Kireineトイレに流せる超厚手おしりふき」は、水にほぐれて細かくなるため、最終的に「下水汚泥」としてリサイクルが可能です。
当社は、Kireineトイレに流せる超厚手おしりふきを通して、環境改善活動を推進していきます。
明日の介護を明るく照らすために
私たちハビックスは、当社の製品を通して、医療・介護に関わる環境を「キレイ」にすることで携わる皆さまの心と身体の「キレイ」をつくるために、2024年春に「Kireine」というブランドを立ち上げました。
Kireineトイレに流せる超厚手おしりふきを筆頭に、当社では、医療・介護に関わる安全性が高く、衛生的で快適に繋がる製品の開発に引き続き取り組んでいきます。乞うご期待ください!